Sunday, March 18, 2018

Hamburg hardcore scene


 


OH州のYoungstownが発祥とされ、2002年の発足以来、現在では世界各地にクルーが点在するSOSF(Swing On Sight Family)。そのHamburg支部ともいえるDSA(Dirt Style Army)のクルーによって、SUCKAPUNCHは2006年に結成された。

SHATTERED REALMやNASTYライクなbrutal beatdown hardcoreサウンドに、hip hop系ギャングボイスを主軸に、ONE LIFE CREWまたはNRSVを思い起こさせるボーカルが掛け合うdual vocalsが乗る。このスタイルは、彼らがシーン創成期から牽引しているだけに、Hamburg hardcore sceneのステイタスにもなっている。

結成後の初期段階には、自主で"unterste schublade"と"munition"を出していたが、2011年にOne Life One Crew Recordsへと移籍、1st"kiosk kings"をリリースした。
これに収録されたSHEER TERRORのカバーを、しっかり自分らの音に仕上げている辺り、実力も兼ね備えている。
そして2013年に、スイスのVALE TUDOとのスプリット"MMXⅢ"のリリース、.45 STAINLESSとのEurotour 2015など、活動域もヨーロッパ中に広げている。

また、MarcとRobinはBIRTH STRUGGLE DEATHでもプレイしているが、音源がデモ"mad as hell demo"のみに止まっているので、その後の動向が気になる。


SUCKAPUNCH - "live in Julius-Leber-Haus 03.03.2012"
 





FOR MY ENEMYは、2007年Hamburgにて結成。2009年に自主リリースした"welcome to the dirt"のタイトル通り、SUCKAPUNCHやAIRTIMEと同じDSA/SOSFクルーのバンドとして活動している。

自らの音をevil 90's moshmetal hardcoreと表現するように、ALL OUT WARやARKANGELをバックボーンに、土地柄のbeatdown hardcoreとが融合。狙いとするサウンドは、2011年にMarked For Death Recordsからリリースされた、"dark days"のGustave Doréジャケからもわかると思う。
この1stに、ゲストボーカルで参加したSamisのREDUCTIONや、BerlinのREBORN TO CONQUERと比較しても遜色を感じない。

以降、2ndギターLasseが加入し、2012年にAZ州のBEG FOR LIFEとのスプリット、2013年には新曲"six years passed"が発表され、新作が待たれるが、音沙汰のない状態が続く。

個人的にHamburgを訪れた時、Swing On Sight Fest 2014で、59 Hamburgのバンドを見る機会があったのだが、特に彼らの地元での人気は肌で体感することができた。ただシーンとしては、それほど規模は大きくなく、後述するように掛け持ちも多いのが実情のようだ。


FOR MY ENEMY - "six years passed"

 




2009年、FOR MY ENEMYのギターArneは、GENTLEMEN'S SPORTSを新たに始動させる。もう一人のギターは、FOR MY ENEMYに加入したLasse。つまり両バンド共、ギターが一緒という体制になる。
そのdual vocals beatdown hardcoreは、USのLIFE AFTER DEATHやCROWD DETERRENT、COLD EXISTENCEに近いサウンドで、FOR MY ENEMYとは一線を画しているのは明白。どちらかというと、ギターの2人はこっちの方をメインにしている感じで、今後シーンの中核を担っていく存在になるのは間違いない。

2011年に、"demo 2010"が"straight outta Hamburg tour edition"として、Shock Survival Recordsから再発された。これはデモと同内容のものだが、limited 30で極少生産されたレア音源。
そして7ep"fischkopp"、さらに翌2012年には、"Swing Of Sight Family worldwide split volume 3"(w/ COLD REIGN、GUERRILLA CROWZ)が、Filled With Hate Recordsからリリースされた。この3 way以降、ボーカルのClausが脱退し、Rafのソロ体制で活動を続けることになる。

すでにE-TOWN CONCRETEのツアーサポートも決まっているようで、新体制での新譜、今後の動向にも期待。


GENTLEMEN'S SPORTS - "live Duisburg Punkeria"
 





GENTLEMEN'S SPORTSのボーカルClausが、2013年からギターとして活動を始めているGRIM VISION。他にBACK IN TIMEBRICKTOP、SUCKAPUNCHなどの経歴を持つメンバーも在籍しているらしいが、音は良い意味で裏切るdeath/dark metal influenced hardcoreをプレイしている。例えるなら、DISEMBODIEDやDISGRACEといったところか。

結成間もなくしてBastardized Recordingsと契約し、2014年に"with those who favor fire"、2016年に"war agony"と、これまで2枚の7epをリリース。"war agony"でBOLT THROWERをパロった、limited editionを出している辺り、曲作りでも意識しているのが垣間見える。
ちなみに、レコーディングで使用された48 Volt Studioは、Hamburgバンド御用達のスタジオとして知られるところ。

まだ新しいバンドながら、地元ではもちろん、EMBRACED BY HATREDやANGSTなんかとライブをこなし、頭角を現してきている存在。BUST!然り、新たなシーン構築の時期に差し掛かっている印象を受けるが、その中心にいるのはDSA/SOSFクルーであることは変わりない。


GRIM VISION - "live at Bar 227"
 


: my collection :
 

Saturday, March 3, 2018

Ruhrpott hardcore scene - 3





Ruhrpott hardcore sceneで組織されたRBSから、2002年に結成のEMBRACED BY HATRED。もともとduel vocalsで活動していたが、Andre Lebrunが脱退し、2nd"real recognize real"からSascha Grümbelのソロ体制になる。
自らの音をTroycoreと称していて、STIGMATAやWARTIME MANNERの影響を落とし込みつつ、Cleveland hardcoreをも消化したようなbeatdown hardcoreをプレイしていた。

Meik Buhlが抜けて、ギターがAndy Helmholzの1本になった"vigilante justice"を転換期に、16分の刻みや単音弾きが増えた感があり、REBORN TO CONQUERやBUN DEM OUTにも類似したbeatdown furyの要素が強くなった。

そして2015年、2ndギターでStephanが加わった3rd"time waits"が、これまで所属していたFilled With Hate Recordsを離れて、GSR Musicへ移ってのリリースになった。
この頃Andyは、DRIFTやTHE PLATOONに在籍したMarcel Ströterらによる、PRISON KNIFEの"bitter peace"でエンジニアを務めている。
Andyはこのプロジェクトに加入したようで、EMBRACED BY HATREDは2017年解散。


EMBRACED BY HATRED - "immortality"
 


一方で、1st "down to concrete"後に脱退したEMBRACED BY HATREDのAndreは、ex BROTHERS IN CRIMEのJacques Mengel、DemianとNiels Holzhauer、さらにex WORLD PEACEのSaschaらとRIVALSを結成している。
そのMERAUDERやDYING BREEDライクの90's metallic hardcore styleは、次世代を担うメンツが参加したSteel City fest compilationにデモの曲を提供し、ラストの大役を担ったのも納得。

さらにJacquesとDemianは、Ruhrpott DRM hardcoreバンドDOG DAYZとしても動き出した。RIVALSは、Filled With Hate Recordsから4曲収録の"family business"を、DOG DAYZは自主で"1312"と、互いに単独音源を1枚づつ出して解散。


BROTHERS IN CRIME - "filled with hate fest 2008"
 

RIVALS - "live at Herten Nord"
 

DOG DAYZ - "der vollstreckaaa"
 


 
 

Daveの後任として、CIRCLE OF DEATHのギターAndree Krupskiがボーカルで加入、そして後にNASTYに入るPaddyが在籍していたFALLBRAWLは、2005年結成のFBC/DRM/RBS beatdown hardcoreバンド。

3way"no winners just survivors"(w/ BROTHERS IN CRIME、REDUCTION)とデモを数枚出した後、Warcity Recordsから1st"cold world"を2008年にリリースした。
この時期は今よりもっとシンプルなbeatdownパートに、2 stepを組み込んでくる作風が印象に残るが、既述のように、ボーカルのDaveが脱退してしまいAKが後任で入った。
さらにBeatdown Hardwearへ移籍と環境を変え、2012年に2nd"pure mayhem"、2013年には"brotherhood"を出し、一緒にツアーを回った仲のNASTYと対等な地位を築いていく。

しかし、これまで引っ張ってきたPaddy脱退という事態に直面。オリジナルメンバーがStefanのみになり、4ピースで活動を続けることになる。
2015年の3rd"chaos reigns"を聴く限りでは、特に変化を感じさせないFALLBRAWL節っぷりは健在。
現在ドラムのNorman Menzは、CONTRAで活動していて、ex CIRCLE OF DEATHでex BROTHERS IN CRIMEの、Dominik Timmが後任で叩いているようだ。

今年Japan tour 2018で来日したばかりで、その人気も盤石なものになっている。

 
FALLBRAWL - "omega"
 
 
CIRCLE OF DEATH - "immutable"
 


 
 

FROM MY HANDSのボーカルNorman Menzがギターとして、2006年に結成したDRM brutal hardcoreバンドREDUCTION

2008年、ボーカルのSamisとドラムのThrasherが創設したMassive Bloodshed Recordsから、1st"fuck you"をリリース。しかし翌2009年にThrasherが脱退し、後任にGUNNED DOWNのJohannesが加入となる。
FROM MY HANDSとGUNNED DOWNは、Massive Bloodshed Recordsからスプリットを出していた仲で、NormanはそのGUNNED DOWNの曲にフューチャリングされ、DRM family内の友好的な関係性が窺える。

2nd"fuck you too"をOne Life One Crew Recordsから2012年に、続く3rd"RDCTN"は2015年のリリースになる。相変わらずのbeatdown furyをバックにに、hip hopテイストと吐き捨て気味の歌い回しを駆使したボーカルスタイルは、CRACKDOWNやFALLBRAWL、NASTYと同等レベルのクォリティと人気を博す。

Ieper hardcore festやOne Life One Crew showcaseの出演、BALBOAとのSpain tour 2x17をこなし、もうすぐスプリットか何か音源が出る模様。


REDUCTION - "love music/hate the kids feat. Paul DESOLATED"
 


 
 

2011年、ex SINK OR SWIMのLarissa Stupar、SvenによってWOLF DOWNは結成された。ANCHORやGATHERと比較されるvegan straight edgeバンド。

スプリット7ep(w/ IN ONE PIECE)しか音源を残していないSINK OR SWIMだが、Catalyst Recordsから次作を出す予定が決まっていたらしく、後身バンドWOLF DOWNでの7ep"MMXI"が、同レーベルからリリースとなった。

結成当初から話題性も高く、Start A Fire Recordsより2013年に出した1st"stray from the path"を引っ下げ、Asia tour 2014で来日を果たした。

しかし、次作の7ep"renegades"を最後に、ボーカルのLarissaが脱退。すぐに後任にDaveが就き、名刺代わりの"liberation"を出した。やはり印象が変わった感は否めないが、HATEBREEDやLESRA的なmosh coreパートが加わった。
そして、Asia tour 2016で2度目の来日もしている。

帰国後、2nd"incite & conspire"をEnd Hits Recordsからリリースに至るが、2017年に解散となった。
また脱退したLarissaだが、彼女はロシア生まれのドイツ育ちで、現在はUKに渡り住み、2015年からVENOM PRISONへ加入し活動している。

 
WOLF DOWN - "stray from the path "
 
 

: my collection :